ディスポーザーは万能じゃない過信が招く排水溝詰まり
生ゴミを粉砕して水と一緒に流せるディスポーザーは、キッチンのゴミを減らし、悪臭を防いでくれる非常に便利な設備です。しかし、その便利さゆえに「何でも流せる」と過信してしまうと、かえって深刻な排水溝詰まりを引き起こす原因となり得ます。ディスポーザーには、その能力の限界と、守らなければならない正しい使い方があるのです。ディスポーザーが粉砕できるのは、あくまで野菜くずや果物の皮、ご飯粒といった、比較的柔らかい調理くずです。一方で、鶏の骨や貝殻、とうもろこしの芯といった硬いものや、玉ねぎの皮や枝豆のさやのような繊維質の強いものは、粉砕しきれずに刃に絡まったり、排水管の途中で引っかかったりして詰まりの原因となります。また、卵の殻も細かく砕けても水には溶けないため、排水管の底に砂のように沈殿し、他のゴミと結合して詰まりを引き起こすことがあります。詰まりを招く最大の要因は、実はゴミの種類そのものよりも「油」との組み合わせです。例えば、油分の多い肉の脂身や天ぷらの衣などを大量に流すと、粉砕されたゴミと油が排水管の中で混ざり合い、非常に硬くて粘着質の高い塊を形成してしまいます。これは通常の油詰まりよりもさらに厄介で、除去が困難なケースも少なくありません。ディスポーザーを正しく使うための鉄則は、まず「処理してはいけないものを覚える」こと、そして「使用中は必ずたっぷりの水を流し続ける」ことです。水の量が少ないと、粉砕されたゴミが十分に押し流されず、管の途中で滞留しやすくなります。便利さに甘えることなく、その特性と限界を正しく理解し、節度を持って使用すること。それが、ディスポーザーという設備と長く快適に付き合っていくための、最も重要な心得と言えるでしょう。