天気が悪いと音がする?ボコボコ音と気圧の関係
「なぜか雨の日や台風が近づいている時に、キッチンの排水口のボコボコ音がひどくなる」。そんな不思議な体験をしたことはありませんか。これは気のせいではなく、実は「大気圧」と「排水管の詰まり」が密接に関係して起こる現象なのです。通常、私たちの周りの空気には、常に「大気圧」という圧力がかかっています。そして、家の排水管は、最終的に公共の下水道に繋がっており、間接的に外の空気と通じています。晴れていて高気圧に覆われている時は、外から排水管内部にかかる空気の圧力が、室内からかかる圧力よりも高くなります。これにより、排水管内の空気は、室内側へと押し出されにくく、比較的安定した状態が保たれます。ところが、天気が崩れて低気圧が近づいてくると、外の空気の圧力が下がります。すると、相対的に室内側の空気の圧力の方が高くなり、排水管の中の空気が、外へ(下水側へ)と逃げやすくなります。ここで、もし排水管が油汚れなどで詰まりかけていると、どうなるでしょうか。狭くなった水の通り道に溜まっている空気が、低気圧によって外へ引っ張られ、移動しようとします。この空気が、管内に溜まった水やヘドロを通過する際に「ボコボコ」「ゴポゴポ」という音を立てるのです。つまり、排水管の詰まりという「持病」が、低気圧という「きっかけ」によって、より顕著な症状として現れる、というわけです。これは、古傷が雨の日に痛むのと似たような現象と言えるかもしれません。もし、天候と連動してキッチンの排水口から音がするようであれば、それは排水管の内部がかなり狭くなっている可能性が高いという、非常に分かりやすいサインです。天気が回復して音が小さくなったからと安心せず、早めに排水管の点検や清掃を行うことをお勧めします。